この記事では、内視鏡看護師をしている方が専門性を高めるために行う5つの方法を、難易度別に紹介していきます。
具体的にどんな専門性があるのか知りたい人は、下の記事を読むと理解が深まると思うので、先にお読みください。
おさらい:内視鏡看護師の専門性4つ
ポイントをまとめたものがこちら。(タブ見出しをクリックすると関連記事へ飛びます)
結論
書籍、動画、セミナーなど、あなたが解決したい疑問に合わせて、組み合わせて学習するのがオススメです。
専門性を身につけるために、効率よく勉強をすることを考えると、消化器内視鏡技師資格の取得を、目指してみる、と言うことが一番オススメです。
なぜなら、職場での実務経験(感覚・技術的な学び)、内視鏡技師資格を取るために必要な講習会(セミナー)、書籍での勉強(言語的な学習)、全て当てはまるからです。
難易度順:専門性を身につけるための行動
難易度が低いと思う順から1〜5番目まで上げてみました。
下に行くほど、習得までの難易度は高くなりますが、得られる専門性も多くなります。
内視鏡看護の専門性を身につける、5つ方法について、難易度順に並べました。
評価の基準はこちらです。
では難易度①から順にいきましょう。
4つの専門性を意識して仕事をする
「意識して行動しよう」は、よく聞く言葉ですよね。
意識することは大事!侮ることなかれ。
- 何も考えずに言われた業務をこなすだけの人
- 「昨日の自分より良い看護ができるようになろう!」と意識し続けた人
この2人の数年後の姿は、大きく異なってくることでしょう。
何を意識するか、具体例を下にいくつか挙げてみました。
私も最初、このようなことを意識して動いていました
意識して行動するだけでは足りなかったり、職場の中で解決できなかった場合、他の方法を探してみましょう。
動画で勉強する
メリット:記憶に残りやすく感覚的な学びに強い
- 音声など知覚的、感覚的なものを学べる
- 動画は記憶に残りやすい
- 情報量が多い(イメージ、言葉、話し手の感情など)
- 無料の動画も探せばある
動画で学習するメリットは、本で文字を読むことに比べて、イメージがしやすいということです。手技などのお手本を真似することができます。
動画は記憶に残りやすいということも、専門性を学ぶ上で大きなメリットになります。
なぜなら、感情が含まれている情報は長期間覚えていられるからです。
専門書に比べて、動画のエンタメ性はかなりあります。
人は、ポジティブな気分のとき(ワクワク、ドキドキ、楽しい気分)、ドーパミンがドバドバ分泌されて、その記憶は長期記憶に保存されやすくなります。
楽しみながら学習することで、動画学習で受けた情報が、感情を含んだエピソード記憶(体験を通した記憶)となり、長期記憶として定着しやすくなるのです。
(「消化器内視鏡看護の勉強に役立つ記憶術」、「消化器内視鏡のおすすめ動画」、後日詳細記事を上げたいと思います。)
デメリット:時間がかかる・無駄な情報が多く効率が悪い
- 無駄な情報が多い
- 時間がかかる
- 余計な誘惑がある
- 無料の動画の数は少ない
- 動画内で情報検索しにくい
デメリットは、効率が悪く、無駄な情報も入ってきやすい、ということです。
例えばこんなとき。
すでに一通り流れを知っているとき、前処置で使用する物品や鼻に麻酔をかけるなどということは、自分にとっては必要ない情報ですよね。動画では受動的に情報を受けることになります。
自分で情報を選んで検索するということは、動画では難しいため、時間効率はあまり良いとは言えないでしょう。
動画の情報量が多いというメリットは、デメリットにもなります。
文字データの他に、音声、イラストや図解、作り手の感情、合間の広告、目に入ってくる関連動画…など、さまざまなものを五感で感じてしまいます。
それは、雑念になって集中力を削ぐことになったり、広告の漫画が気になって飛んでみたり。。。勉強するには必要ないものですね。
私もスマホやパソコンで動画をみていると、つい脱線してしまいます…^^;
純粋に文字というデータで比べたとき、本から得られる情報量の方が動画より多いというデータもあります。
本を読んで独学
メリット:費用対効果&時間のコスパ最強・自分のペースで勉強できる
- 情報が正確
- 言語化された情報が豊富
- コストが少ない
- 自分のペースで学習できる
- 何度でも繰り返し学べる
- 網羅的に学べる
- 情報を検索しやすい
本で学習するメリットは大きく分けて2つあります。一つ目は、学習のペースを自分で好きに調節できることです。
もう十分わかっていることは飛ばし読みしたり、深く理解したいところはじっくり読んだりすることができます。
メリットの二つ目は、動画などの話し言葉を耳で処理するよりも、本を読む方が速く、大量に情報を得ることができることです。
医療の専門用語は、長い漢字の羅列や、長いカタカナの疾患名などが多いですよね。医療の勉強では特に、正確に伝えようと喋ると、話し言葉の速度は限界があります。
黙読すると、長い文字の塊がバッ!と頭に入ってきますね
日本速能動的速読協会のデータによると、黙読の方が音読より2倍近く文字を処理できる、とされています。
- 話す(音読)速度の平均…約360文字〜420文字/分
- 社会人の読む(黙読)速度の平均…約600文字/分
日本速脳速読協会 https://www.sokunousokudoku.net/media/?p=4575
読むことに慣れると速度は上がります。
これは平均速度なので、速く読める人はたくさんの情報を効率的に仕入れることができます。
デメリット:挫折しやすい・積読リスク
- 本を読むことに慣れていないと集中力が続かなくて辛い
- わからないことを質問できない
- 自分のレベルに合っていない本を選んでしまうと、最後まで読めないことがある
- ペースは自分次第(遅くなって積読になることも…)
デメリットは、勉強の習慣をつけ始めるときが辛い、なかなか続けられない、ということです。
私は最初は10分椅子に座り続けるだけでも辛かったです…
一日5分だけでも、読み始めてみましょう。ちょっとずつ、成功体験を積み重ねていけば大丈夫ですよ。
また、本での学習は孤独です。わからないことに直面した時、周りに質問できる人がいません。
本選びに失敗して、自分のレベルより高くて難しい本を買ってしまったとき、積読(つんどく:本を読まないまま積み上げること)に陥りやすいことも考えられます。
行動を妨げるものが多くなるということは、挫折しやすくなる要因の一つになります。
内視鏡のセミナーに参加
メリット:モチベUP・最新技術
- 最新の内視鏡の知識や技術に触れることができる
- 刺激を受けてモチベーションが上がる
- 直接講師に質問や相談するチャンスがある
- 知識、感覚、場の空気を感じられる
セミナーのメリットは、講師、観客全てが一体となる「ライブ感」を味わいながら、内視鏡の勉強のモチベーションを上げることができることにあります。
また、セミナーに参加することで最新の知識や技術に触れることができます。
日本の消化器内視鏡医療は、世界でトップを誇る技術力です。そのため講習会やセミナーは活発に行われています。
消化器内視鏡技師を目指す場合、以下に参加することが必要です。
消化器内視鏡にかかわる研究発表を聞くことはとても刺激になります。
他の病院さんの取り組みをうちでも取り入れらないかな?など
デメリット:お金がかかる
- 金銭的コストが大きい
- 費用に見合った内容のものか分からない
- やる気だけ出ても行動をしなければ意味がない
セミナーを受けるデメリットは、金銭的コストが大きいことです。
充実した内容で満足度の高いセミナーもあれば、お金がかかるだけのものも…
セミナーの主催者が信頼のおける機関か、口コミや評判を調べることが大切になってきます。
また、現地参加のセミナーを選ぶ時は、参加費のほかに交通費も負担しなければなりません(病院によって負担してくれるところもあるので要確認です)。
感染症対策を背景に、ここ数年オンラインセミナーが増加しています。
消化器内視鏡技師試になるには必須の、技師研究会・講習会ですが、日本内視鏡技師会の支部によっては、Webセミナーの選択をできるところもあるようです(2023年4月現在)。
Webセミナーにはライブ配信とオンデマンド配信の2つがあります。
- ライブ配信(コミュニケーションがとれる)
- オンデマンド配信(録画した動画)
今後は内視鏡のオンラインセミナーは増えていくのか、確認が必要です。
(おすすめの、消化器内視鏡オンラインセミナーについての比較記事を後日上げたいと思います。)
消化器内視鏡技師資格をとる
メリット:自己投資になる・内視鏡室の専門的な知識全てGET
- 自分への自己投資になる
- 費用対効果が高い
- 体系的に知識、技術を得ることができる
- 資格取得後も講習会で学び、知識のアップデートができる
- 職場の人から勉強のコツなどを聞きやすい
消化器内視鏡技師を目指す過程で、効率的に専門性は身についていきます。
資格を取るために、今まで説明してきた①〜④全て行います(※講習会をセミナーという扱いにしています)。
そもそも消化器内視鏡技師とは、「医学基礎知識と内視鏡の専門知識と技術を備え、かつ積極的に消化器内視鏡業務に従事する者」とされています。
試験に受かるためには試験範囲を学ぶ必要があり、知識を網羅的に、体系的に学ぶことができます。
「〜だから〜する」という根拠が生まれると、仕事に自信を持てます
また、資格というものは他の人にもわかりやすいアピールポイントになります。転職時にとても有利になります。
デメリット:時間、お金がかかる
- 資格取得まで時間がかかる
- 学ぶことが多い
- 講習会などの参加費用がかかる
- ある程度勉強しなければ試験に落ちる
- 一年ごとの会員費用がかかる
デメリットは、資格取得までに短くとも2年以上はかかるということ、試験対策をしなければならないというハードルがあることです。
ですが、「急がば回れ」という言葉があるように、その時楽な道を選び続けるよりは、一番険しい道を選んだ方が、実は長い目で見たときに、一番近道だったりします。
内視鏡室で勤務している方にとっては、とっておいて損のない資格です。
まとめ:自分のお悩み別に勉強方法を使い分けるのがおすすめ
内視鏡室の専門性を全てカバーしたいなら、消化器内視鏡技師の資格を目指して勉強することが近道になります。
ピンポイントで手技などを知りたいときは動画学習、消化器内視鏡について掘り下げて知りたくなった時は書籍、セミナーは学習の合間のモチベーションアップの起爆剤として取り入れるのが良いでしょう。
消化器内視鏡技師の勉強をする気になったけど、どんな本がおすすめで、どう勉強したら良いのかわからない…
そんな方へ向けて、資格取得前の勉強から、資格に合格した後のことまで記事にしていく予定です。
「どんな申請書類が必要なのか」「CBT方式のテストって?」「合格後の手続きはこれで良いの?」など結構私は悩みました
これからも、お役立ち動画の紹介・内視鏡技師試験の勉強方法など、お役立ち情報を発信していきたいと思います。
それでは。
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